産後ケアの重要性

産後ケアは、異次元の少子化対策として、近年注目を浴びています。産後1年以内の女性とその子どもを対象に、助産師ら専門職が女性の心身のケアをしたり、育児相談に乗ったりすることで、助産所や病院などで取り組んでいます。大きく三つあり、①数日間、産後ケア施設に宿泊滞在する短期入所(ショートステイ)、②施設に乳児を連れて通ってもらう通所(デイサービス)、③産後の女性の自宅で行う訪問(アウトリーチ)です。
近年は親との同居が少なくなり、出産した女性は育児に不安を強く抱いたり、人によってはうつ状態になったりすることもあります。産後の育児を家庭だけに任せるのではなく、女性を孤立させないように地域で手助けしていくことは大切です。家族のような身近にいる人からも、必ずサポートを得られるとは限らない現状です。
産後ケアは市区町村の事業ですが、2021年度末の時点で全国の実施率は8割に届いていません。国は、2024年度末までに全ての市区町村で実施したいとしています。母子保健法を改めて、2021年4月からは市区町村が産後ケアに取り組むのを努力義務と位置づけています。
これまで特に0~2歳の子育て支援が手薄だったとして、国は対策を急いでいます。産後ケアも、今は所得が少ない人(住民税非課税世帯)を対象に、産後利用料を減免していますが、2023年度からは、他の全ての女性も1回2,500円の助成を受けられるようにします。10万円分の支給と伴走型の相談支援の導入も、そうした取り組みの一環です。

(2023年3月2日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。