男女の賃金格差

わが国の正社員の平均月給をみると、女性は男性の75%ほどしかもらっていません。非正規の働き手も含めれば、女性の年間平均給与は男性の55%にとどまっています。OECDによると、日本の格差は主要7カ国で最大で、OECD平均の2倍程度です。
格差の大きな要因は、女性の勤続年数が男性より短いことです。キャリアの継続が難しく、高賃金の管理職や役員への昇進も少なく、家事や育児は女性、仕事は男性という性別による役割や分業の意識が、諸外国に比べて岩盤のように根強いことが影響しています。
育児や介護で職を離れたり、働く時間を減らしたりするのは、女性が圧倒的に多くなっています。非正規に女性が多いことも、収入を引き下げています。国税庁の調査によっても、女性では年間給与所得の300万円以下が多数を占めています。主要国でも大きい男女の賃金格差を是正するため、政府が対策づくりに乗り出します。関係省庁にまたがるPTを立ち上げ、格差が大きい業界に働きかけを強めます。

(2024年4月25日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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