訪問看護師の意義

 在宅看護を担う訪問看護師を育てる取り組みが進んでいます。訪問看護に必要な幅広い知識を教えるために、自治体が看護系大学と組んで養成コ-スを開設したり、民間企業と連携したりしています。国は地域全体で高齢者をケアする仕組みづくりを進めています。その担い手である看護師の不足が指摘され、人材育成が急務になっています。2年間の訪問看護師の養成コ-スは、診療所や病院に加え、訪問看護ステ-ション、老人保健施設での研修を含んでいます。最新の知識や技術だけでなく、取り組む姿勢や態度などの習得できるのが特徴です。
 訪問看護師は地域の訪問看護ステ-ションに所属し、利用者の自宅に出向いてケアをします。資格そのものは医療機関で働く看護師を同じですが、医師の指示書に基づいて病状を観察して医療処置をするほか、ケアマネ-ジャ-やヘルパ-などと連携して、介護予防やリハビリ、在宅でのみとり支援なども手がけています。医師と利用者をつなぐ役割もあり、幅広い知識やスキルが求められます。利用者の6割が要介護度3(食事や入浴を一人でできない等)以上で、高齢者だけでなく重度の障害児や人工呼吸器をつけている人など医療ニ-ズが高い患者も多く、見られます。利用者数の増加により、年々訪問介護ステ-ションは増えてきていますが、まだまだ不足気味です。

(2015年8月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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