東京都は、2023年度に健康な女性の卵子凍結にかかる費用を1人あたり30万円程度助成するとしています。少子化対策の一環で、未婚の女性が将来の妊娠・出産の可能性を残せるよう後押しします。卵子凍結は、公的医療保険が適用されない自由診療の扱いとなります。採卵から凍結までに30万~50万円程度かかります。凍結後葉毎年、保管費用も必要になります。経済的負担から卵子凍結をためらう女性も多いとみられ、都は少子化対策の一環として独自に助成を始めます。
日本受精着床学会は、2022年12月に都内で2021年に実施された健康な女性の卵子凍結が、11医療機関で1,135件だったと報告しています。都は助成に当たって、年齢や凍結理由なども聞き取りながら、2024年度以降の本格実施に生かします。現在は保険適用除外となっている凍結卵子を使った体外受精に対する助成も始めます。
米国では、女性社員のキャリア形成支援の一環として、企業が卵子凍結の費用を負担する動きが広がっています。2020年時点で、従業員数2万人以上の企業の2割が補助制度を導入済みとの調査もあります。国内でもメルカリやサイバーエージェントなど補助制度を設ける企業が増えています。
(2023年1月28日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)