戦後第一次ベビーブームの頃には4.32にあった合計特殊出生率は、2005年に1.26まで低下しました。1970年代前半に第二次ベビーブームの頃に2.14と一過性の上昇がありましたが、基本的に出生率は低下し続けています。
2011年には1.39まで上昇し、あたかも少子化が回復傾向にあるとの報道がなされました。一方で、出生数は前年比およそ2万人減の103万3000人で過去最少となりました。また、並行して晩婚化が加速し、第一子出産母親年齢が前年から0.2歳上がって30.1歳と初めて30代に突入するなど、依然として日本社会が危機的状況にことを忘れてはなりません。
このペースで進むと2055年には、日本の総人口は9000万人を切り、出生数が年間50万人を下回り、65歳以上の高齢化率は40%を超える計算となり、年金や社会保障などの問題以前に国家存続の危機に立たされるのです。現在の労働力人口は6600~6700万人程度ですが、このまま女性の社会進出や若者の就労率などの問題が解決されず、そして少子化に歯止めをかけなければ、4200万人までに低下してしまいます。国内産業の空洞化はさらに進みます。今、国民一人一人がこの少子化の問題を真剣に考えることを始めないと、2055年にわが国は国家として存続できないかもしれません。
私はこれを2055年問題と呼びたいと思います。
2030年および2055年のわが国の人口動態予測を示します。考えると、怖いような少子・高齢化の進行です。
(吉村やすのり)