女性医師における「小1の壁」

働く女性の育児と仕事の両立を阻むのが、小1の壁である。子どもが小学校に入学したとたん、放課後の預け先に悩み、仕事を続けることが困難になることが多い。三重大学医学部附属病院では、小学生向けの学童保育を院内で実施している。女性医師や看護師がキャリアアップを図る時期と子どもが小学校に入学する時期が一致し、育児と仕事を両立できずに常勤医をあきらめるケースが多い。これは病院にとっても社会にとっても大きな損失となる。大学病院では、原則午後7時まで、特別な場合は午後9時30分まで児童を受け入れている。

子どもには宿題などの勉強の時間を設ける他、昼休みを親子で過ごすこともできる。企業でも社員の子どもが希望する学童保育の枠を確保する動きも出てきている。学童保育の待機児童数は年々増加している。まだ「小1の壁」という言葉自体、保育所の待機児童に比べると広く国民に知られていない。大事な人材を引き留めるためには、打開策を講じなくてはならない。

(2014年8月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。