妊娠のための教育講座Ⅵ妊娠前の子宮頸がん検診

子宮の体部は胎児の宿る部分であり、子宮頸部は赤ちゃんがきちんと育つまで生まれないように、子宮に鍵をかけている部分です。頸部とは、子宮の下部にあって膣とのつながっている部分です。この頸部に発生するがんが子宮頸がんです。子宮頸がんは、初期に病巣を摘出すればほぼ完全に治るがんです。子宮頸がんは20代、30代の女性が最も罹りやすいがんです。そのため妊娠する前には、必ず子宮頸がん検査をしておくべきです。

 子宮頸がんの発生原因として、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって起こることが明らかにされています。その多くは性交渉によって感染します。また、喫煙もがんの発生を高める要因と考えられており、頸がんの予防からも禁煙がすすめられます。初期の子宮頸がんはほとんど自覚症状がありません。そのため、妊娠前から定期的な検診を受けること、および月経以外に出血などが見られたらすぐに受診しできるだけ早期に発見することが大切です。検診を受けていれば子宮頸がんは早期に発見でき、死亡するようなことはありません。最近の女性は、仕事などで忙しいこともあるため、出血やその他異常を感じた際も病院に行かない方が多いようです。キャリア女性は、仕事や会議があると病院の診察時間に通えないなどの都合もあると思いますが、早めの対応で安心を買えることになります。有給や早退制度を利用し、婦人科健診に行くことをお勧めしたいと思います。

感染予防のためのワクチンもありますので、そちらの接種を検討することをお勧めします。現在ワクチンの接種後の疼痛などの副反応のため、女子中学生にワクチン接種は実施されていないのが実状です。海外においてはセックスを経験する前にワクチン接種が義務づけられています。わが国において若い女性にワクチン接種が実施されていないことが、将来問題にならなければよいと思うのですが・・・

 (吉村 やすのり)

 

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