CAR―T療法

CAR―T療法とは、患者の免疫細胞を取り出して遺伝子を導入し、がん細胞への攻撃力を高めて体内に戻す療法です。白血病などの血液がんでは、高い効果が期待されています。しかし、がん細胞がいったん減っても、1~2年以内に再び増えることが報告されています。これは投与した免疫細胞が疲弊するためと考えられています。慶應義塾大学の研究グループは、体内で疲弊した免疫細胞の攻撃力を再び高める技術を開発しています。CAR―T細胞の攻撃力を長期間維持する治療法が普及すれば、治療効果を大幅に高められます。
細胞の増殖を促す線維芽細胞を改良して、CAR―T療法に使う免疫細胞とともに培養します。人の白血病のがん細胞を入れたマウスにこの免疫細胞を入れると1カ月後でも全て生き残っています。マウスの実験では、従来のCAR―T療法では12週間後までに8割以上が死ぬところが全て生き残るようになり、白血病細胞が消えています。今後は、固形がんも治療できるように免疫細胞を改良して実用化を目指します。

(2018年9月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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