CAR-T療法とは

CAR-T療法とは、病原体など異物を排除する免疫細胞の一種であるT細胞を患者の血液から取り出して、キメラ抗原受容体(CAR)と呼ばれるたんぱく質を作る遺伝子を組み込み、再び患者の体内に戻す治療法です。CARはがん細胞を効率よく見つけるセンサーの役割を果たし、T細胞をがん細胞に誘導して攻撃させます。このがん細胞への攻撃力を高めて体内に戻すCAR-T療法という新しいがんの免疫療法であるキムリアが、国の承認を受けました。
キムリアの大きな課題は、高額の治療費です。1回約5,000万円の米国と同水準になると予想されています。それでも日本は公的な保険が手厚く、自己負担は約60万円で済むことになりそうです。毎年、5万人以上が血液がんになりますが、実際にキムリアの治療対象になるのは、年間250人程度と推計されます。100億円を超える治療費は、ほぼ全額保険でまかなわれることになります。

(2019年3月28日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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