CO2からの人工原油の製造

 地球温暖化の原因と言われるCO2からクリーンエネルギーを製造する実験がエネオスで始まっています。CO2は一酸化炭素(CO)に変換した後、パイプラインで高さ7mのサイロ状の機器に運び、触媒で水素と反応させます。液化すれば合成燃料が出来上がります。

 合成燃料は、石油と成分が近く人工原油と呼ばれます。用途ごとに精製した人工ガソリンや人工重油は、自動車や航空機、船舶の燃料にできるほか、輸送や長期貯槽には現在の設備が使えます。実験は始まったばかりで、製造能力は1日1バレル(約160ℓ)で、自動車3台を満タンにできる程度です。

 最大の課題は製造コストです。資源エネルギー庁によると、国内の製造コストは1ℓ当たり700円と、ガソリンの約4倍です。大量の水素と高濃度のCO2を安く調達し、効率よく大量生産できるかどうかがカギです。エネオスは将来的に、太陽光発電を使って水素を製造する大規模施設の建設計画も選択肢に入れています。

(2025年3月7日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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