東京大学の研究グループらは、玄武岩がCO2を吸収する新しい仕組みを発見しました。CO2鉱物化という現象を利用した手法で、将来的にCO2の回収・貯留(CCS)に役立つと考えられています。
CCSは排出したCO2を回収して地中に貯留することです。技術は米国などが先行していますが、かつては天然ガスや石油が眠っていた空洞に注入するケースもありますが、漏洩や地震発生のリスクが指摘されていました。より安全に貯留できる方法として、CO2を岩石に閉じ込めるCO2鉱物化という新しい技術があります。
米国を中心に、世界でCCS技術の実用化が進んでいます。CO2鉱物化を前提としたCCSはまだ研究段階です。国際エネルギー機関は、2050年時点で世界全体で年間約36億~72億tのCO2をCCSで貯留する必要があるとしています。日本では、2050年時点で年間約1.2億~2.4億tの貯留が必要になるとしています。
(2025年9月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)