ESG経営の必要性

企業の売上高などの財務指標だけではなく、E(環境)、S(社会・人権)、G(企業統治)への取り組みも評価し、銘柄を選ぶ投資をESG投資と言います。国連が、2006年に株式投資にESGの観点を取り入れる責任投資原則(PRI)を提唱したことが始まりです。
その運用資産額は、計121兆3,000億ドルにも達しています。日本の動きは欧米などに比べて遅れていましたが、2015年頃より多くの機関投資家が追随し、投資家との対話を重視する大企業は、ESG経営の導入を進めています。
大企業で普及するESG経営をスタートアップにも促す取り組みが広がってきています。投資家の出資判断に役立つ定量的な基準を作り、将来の株式上場を見据えた起業家のESG経営導入を後押しします。スタートアップ育成を重点戦略に据える岸田政権は、経済政策の新しい資本主義で、ESGのうち社会への貢献を重視するインパクト投資の推進を掲げています。起業家が創業初期の段階からESG経営を取り入れ、早期に定着させる重要性は高まってきています。
しかし、スタートアップのESG経営はまだ広がり始めたばかりです。ジェネシアが5月に実施した調査によれば、知見が不足している、やるべき施策が分からないなど課題も浮き彫りになっています。

 

(2022年8月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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