IgG4関連疾患とは

 IgG4関連疾患とは、腫瘤や隆起性病変で免疫グロブリノの一種であるIgG4陽性の形質細胞(リンパ球の一種)の浸潤を認め、血中のIgG4値が高値となる疾患です。多彩な部位でさまざまな症状を呈する病気です。免疫機能に異常が起こる自己免疫疾患の一つです。 膵臓や肝臓、肺、目、唾液腺、腎臓などに腫瘤が出来ます。膵臓にできると黄疸が現れます。目では涙の量が足りなくなるドライアイ、唾液腺では唾液の分泌量が減り、口の渇きを感じるドライマウスなどの症状が出ます。
 厚生労働省で研究班が発足しており、研究班の2008年の調査では、発症患者の平均年齢は62歳で、全国に約26000人の患者がいると推定されています。IgG4の増加で起こる自己免疫性膵炎は高齢者の男性の患者が多く、男性が女性の3倍かかりやすいとことなども分かっています。ただ予防法はなく、発症しやすさの違いがどこから来るのか、どんな仕組みで発症するかなどはよくわかっていません。患者によっては唾液腺の次に膵臓、続いて肝臓といった具合に、いくつもの臓器に腫瘤が順番にできる例もあります。治療は、炎症を抑えるステロイドの飲み薬を使うことが一般的です。 

(2015年3月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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