iPS心筋球移植による心不全の治療

 慶應大発ベンチャーのハートシードは、iPS細胞からつくった心臓の筋肉の細胞を重い心不全の患者に移植し、多くの患者で心機能や症状の改善がみられたとしています。安全性にも問題はなかったとして、2026年中の製造販売承認の申請を目指します。

 iPS細胞からつくった心筋細胞を塊にした心筋球を、動脈硬化などで血管が狭くなり、心機能が低下した虚血性心疾患の患者に移植しました。移植する細胞数を5千万個とする低用量と、1億5千万個の高用量の二つのグループに分けて、心筋球を特殊な注射器具で機能が衰えた部分に注入しています。同時に血流を改善するための冠動脈バイパス手術も行っています。

 バイパス手術による効果もありますが、細胞を移植した部位で、より心機能の改善が見られる傾向にありました。不整脈や移植細胞の腫瘍化といった移植に伴う合併症などは報告されておらず、治療の安全性も確認されたとしています。

(2025年12月17日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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