iPS由来の血小板の臨床応用の可能性

ヒトのiPS細胞から、血液の成分の1つで止血作用のある血小板を作る臨床研究が厚生労働省に申請されました。血小板などが減少する再生不良性貧血の患者に輸血するための臨床研究です。再生不良性貧血は、血液中の血小板や白血球などが減り、出血しやすくなるほか、感染症にかかりやすくなったりする難病です。血小板減少に対しては、献血で得られた血小板を輸血する治療法などがあります。
今回の臨床研究は、特殊な免疫の型を持ち、献血による血小板輸血を受けられない患者が対象です。自身のiPS細胞から作った血小板を使うため、拒絶反応が抑えられます。血小板は手術時の輸血や怪我の止血などで使われます。献血で集められるものの、使用できる期間が短く、安定供給が課題となっています。チームは京都大学で備蓄する健康な人のiPS細胞から血小板を作り、輸血用に広く活用するため、人での安全性や有効性を検証する治験も計画中です。

(2018年8月20日 東京新聞)
(吉村 やすのり)

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