OC・LEPの悪性腫瘍リスク―Ⅵ

子宮頸がん

 子宮頸がんは、HPV感染によって発症しますが、最近では20代や30代の若年者に高頻度にみられるようになってきました。OCが導入された当初から子宮頸がんのリスクを上昇させることが懸念されていました。これまでの大規模コホート研究では、有意なリスクの上昇はみられていませんが、服用期間が長いほどリスクが上昇するとされています。特に5年以上の服用では、有意なリスクの上昇がみられます。
 HPV感染による子宮頸がん発症のリスクが長期のOC内服によって増大するメカニズムとしては、OCは新たなHPV感染のリスクを増加させるのではなく、すでに感染したHPVの排除率が低下することにより、HPV持続感染のリスクを高めている可能性が示されています。OC・LEPの服用の有無にかかわらず、子宮頸がん発症にはHPV感染が関与すること、禁煙や定期的な子宮頸がん検診にて子宮頸がんが減少すること、適切なHPVワクチン接種にてHPV感染のリスクを減少できること、などを助言ことが望ましいと思われます。



日本における子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん患者の年次推移

(がん情報サービス:グラフデータサービス)
(吉村 やすのり)

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