普遍的現金給付の意義を考える

2024年度税制改正では、1人あたり所得税3万円、住民税1万円の定額減税が決定しました。一部の高所得者層を除くすべての所得層に対する減税といえます。コロナ禍における特別定額給付金以来、一時的な家計支援が頻繁に実施されるようになりました。これらの支援策の特徴は、対象者を国民全体としてとらえていることです。こうした普遍的な手法は家計支援だけではなく、子育て支援策でも、児童手当の所得制限が撤廃されるほか、3~5歳児に保育無償化も実施されています。 続きを読む

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シニア世代のSNS活用の増加

シニアのSNS利用率はじわりと高まっています。NTTドコモのモバイル社会研究所の調査によれば、60代の男性はFacebook、女性はInstagramの利用率が2割を超えています。しかし、危険性もあります。消費者庁の2024年版消費者白書によれば、SNSが関係する相談件数は、2023年に8万404件で過去最多となり、50代以上が約半数を占めています。特にSNS型投資詐欺の被害は深刻です。警察庁によれば、2024年1~5月の被害者の8割弱は50代以上です。 続きを読む

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HPVワクチンキャッチアップ接種の低迷

子宮頸がんは、若い女性では乳がんに次いで多いがんです。国内では毎年約1.1万人が罹患し、約2,900人が亡くなっています。治療のために子宮を摘出する30代以下の女性も、年間約1千人もいます。1990年代頃までは40代以上の女性が多かったのですが、2000年代に入ると20~30代で罹患する人が増えています。HPVは性交渉で感染するため、ワクチンは性交渉を経験する前に接種することで感染予防の効果が期待できます。 続きを読む

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東京都出生率0.99を再考する

厚生労働省の6月の発表によれば、東京都の合計特殊出生率は0.99と全国の都道府県で唯一1を下回りました。全国平均は1.20と過去最低となっていました。大学や企業が集まる東京には、進学や就職で多くの若い独身の女性が転居するため、分母が膨らみ出生率は低くなります。2023年に15~24歳の女性は7万2千人が東京に転入しています。転出を差し引くと約4万人の純増です。この長年続く傾向がなければ、東京の出生率は今も1を上回っていたはずです。 続きを読む

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健康寿命の延伸

国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、出生率や死亡率が中程度で推移した場合、2050年時点の100歳以上人口は46.7万人と、2023年時点の約5倍に増えます。中心は1947~1949年生まれの団塊世代です。1948年10月~1949年9月生まれは、2023年時点で約200万人もおり、このうち8%の16.6万人が100歳を迎えると予測されています。 続きを読む

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