多死社会を考える-Ⅱ

終末期医療への対応

 高齢化の進展で2040年の年間死亡者数は160万人超と、かつて経験したことのない多死社会の到来が見込まれています。2007年には、厚生労働省は終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインを公表し、医師が人工呼吸器を外し、患者が亡くなった事件が起きたのを機に、終末期医療への考え方を国が示しました。積極的安楽死は対象外とした上で、延命治療の終了も事実上認めています。その後2018年には、人生の最終段落における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドラインでACPの取り組みを推奨しています。

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県立大野病院事件と放射線災害がもたらしたもの ―福島のレジリエンス―

 第77回日本産科婦人科学会学術講演会で、福島県立医科大学藤森敬也教授の特別講演「県立大野病院事件と放射線災害がもたらしたもの―福島のレジリエンス―」の座長をさせていただきました。

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多死社会を考える-Ⅰ

医療における意思決定

 古代から20世紀後半まで、医療はパターナリズムの時代でした。医師が患者の保護者的役割を果たし、治療内容を決めていました。その後1970年代の米国で、患者の自己決定権が確立されました。医師が治療法やメリット、デメリットを説明し、患者が理解して選択し、医師に同意を伝える方法が生まれました。この同意をインフォームド・コンセントと呼びます。

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子どもの自殺の動向と対策

 子どもの自殺が増加傾向にあり、深刻な社会問題となっています。自殺は原因・背景が多様かつ複合的で、複数の要因が連鎖して生じるとされていますが、子どもの自殺の特徴として、衝動性が高いこと、原因・動機が不詳である場合が多いこと、特定した原因・動機としては家庭と学校の問題が多いこと、学校の休み明けに自殺者数が増加することなどが知られています。

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訪日外国人の増加

 訪日外国人の増加に伴い、入国審査の短縮が課題となっています。日本の制度では、まずパスポートやビザが有効かどうかを確認した後、外国人が記入した入国カードの内容を確認します。必要に応じて旅行の日程や日本での活動内容を聞き取ります。入国を許可する場合は、指紋と顔写真を取得し証印を押して審査を終えることになります。出入国管理を統括する法務省によれば、1月には羽田空港第3ターミナルで最大1時間26分の待ち時間が発生しました。新型コロナウイルス禍が収まってから訪日外国人観光客が増え、審査に時間がかかるケースが頻発しています。旅行者の不満が大きく、政府は自動ゲートの活用や渡航前の事前審査制度の導入などを検討しています。

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