国立感染症研究所などによると、RSウイルスは、生後1歳までに半数以上、2歳までにはほぼ100%が感染します。潜伏期間は4~6日で、患者のせきやくしゃみなどの飛沫や、接触によって感染します。特効薬などはなく、一度かかっても免疫ができにくいため、感染を繰り返すケ-スもあります。症状は発熱や鼻水、せきなど風邪に似ていますが、重い場合は気管支炎や肺炎になることもあります。ほとんどが軽症で終わりますが、生後6カ月未満の乳児が感染すると、重症化する可能性が高まるとされています。
昨年は、11月後半から12月にかけて感染者が急増し、年間の患者数は過去最多の約10万人に達しました。今年は11日時点で累計患者が5万2千人を超え、昨年よりも1カ月ほど早く5万人を突破しています。年齢別では1歳未満が大半を占めています。感染を避けるためには、おもちゃやタオルの共有を避ける必要があります。乳児にうつらないよう、子どもには年齢に応じてマスクをつけさせ、手洗いを励行することが大切です。
(2015年10月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)