RSウイルス感染症は、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ全ての子どもが罹るとされます。身近な小児感染症ですが、生後間もない乳児は重症化するリスクがあります。2024年は4月や7月に感染が拡大しました。以前は冬季に流行していましたが、流行期が予測しづらくなっています。
RSウイルス(RSV)感染症の予防薬やワクチンが相次いで登場しています。2歳までの子どもがほぼ罹りますが、乳児の時の方がリスクが高いため、妊娠中の女性がワクチンを接種するメリットは一番危険な時期の感染を防ぐことにあります。
RSワクチンは健康保険が適用されず、2万5,000~3万円前後の接種費用は全額自己負担となります。しかし呼吸器疾患や糖尿病、心疾患など持病を持つ人は、RSVに感染後に重症化したり、持病が悪化したりするリスクもあります。持病があるような高齢の人には予防のためワクチン接種すべきです。
(2024年11月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)