ビデオ会議システムZoomの2020年11月~2021年1月期の決算は売上高が前年同期比4.7倍の8億8,248万ドル(約940億円)でした。純利益は17倍の2億6,039万ドルで、新型コロナウイルス下のビデオ会議の定着ぶりを示しています。
従業員10人を超す企業・団体との契約数が、46万7,100件となり、前の四半期と比べて8%増えています。年間の契約規模が10万ドルを上回る大企業の利用数は、1,644件に達しています。企業向けビジネスが堅調に拡大し、売り上げと利益の伸びを支えています。地域別では、米州の売上高が全体の7割弱を占め、日本を中心とするアジアは13%にあたる1億1,800万ドルでした。
ズームはコロナ下の生活の変化を捉えて飛躍した企業の代表格です。一方で、直近ではコロナワクチンの接種が広がり、ビデオ会議だけでは全ての仕事を賄えないという認識も広がっています。感染動向によってオフィスに戻る人も増えるとみられ、企業との契約を引き続き拡大できるかが今後の課題となります。
(2021年3月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)