中央教育審議会は、特異な才能をもちギフテッドとも呼ばれる小中学生向けの特例制度の骨子案を示しています。通常授業の一部を免除し、大学で研究したり講義を受けたりできるようにします。IQや選抜ではなく、学校や教育委員会の判断で対象者を選別します。特例制度は次期学習指導要領に盛り込まれ、2030年度から順次実施される見通しです。画一的な授業に満足できない子どもらが抱える苦痛を解消し、得意分野や興味関心を伸ばす教育へと転換します。
特例制度の対象を、認知・発達の特性から学習や生活で困難を抱えている、通常の教育課程では支援が難しい、大学などで学ぶことが効果的だと考えられるなどの条件に当てはまる小中学生としています。これまでの学級内での支援では、児童生徒が物足りなさを感じるケースを想定しています。
ギフテッド支援は各国で重視されてきていますが、対象や手法は異なります。韓国は、英才教育振興法に基づき、才能のある子どもを選抜し、特別な機関で教育します。特に理数系の教育に力を入れています。フィンランドでは、教員や学校に対応が任されており、対象の定義や判断基準は設定されていません。柔軟なクラス編成や教育プログラムの拡充などが中心です。長野県では、12の小中学校が授業以外の学びの場の提供を始めています。大学生らがオンラインで伴走支援し、興味関心のある分野を研究する2カ月間のプログラムを展開しています。
日本の学校は授業を全員が理解できるように支援してきましたが、内容に満足できない子どもへの支援の重要性は十分認識されてきませんでした。指導要領で明示する意義は大きいと思われます。
(2026年4月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)







