65歳以上で働く人は増えています。総務省の労働力調査によれば、2025年は943万人と、前年より13万人増えています。10年前の732万人と比べると約29%増です。15~64歳の就業者数は10年前より約4%の伸びなので、いかに増えているかが分かります。65~69歳では2人に1人、70~74歳では3人に1人が働いています。75歳以上でも10人に1人です。
国が2021年4月に施行した改正高年齢者雇用安定法で、従業員が希望すれば70歳まで働き続けられるよう、企業に努力義務を課したことが要因の一つです。厚生労働省の2025年の調査によれば、定年の引き上げや継続雇用制度の導入など、70歳まで働ける環境を整えた企業は、回答した約24万社のうち約8万3,000社と3割超に上っています。
総務省の家計調査によれば、無職の高齢夫婦の場合、毎月の収入は約25万4,000円で、うち9割は年金です。一方、支出は食費や交通費などで約29万6,000円のため、4万円余りの赤字となります。長生きに備えるため、貯蓄をなるべく取り崩さずに済むよう長く働こうとする人が増えているとみられます。
内閣府が60歳以上の人を対象にした2024年の調査によれば、仕事をしている主な理由は、収入のためが5割超と最も高くなっています。働くのは体に良いから・老化を防ぐからも2割でした。お金のためだけでなく、やりがいを感じて働くことは心身の健康を維持し、孤立感を抱かずに生きていくためにも大切です。

(2026年5月30日 読売新聞)
(吉村 やすのり)





