医療費3割への拡大

 2025年度に病気や怪我の治療で全国の医療機関に支払われた医療費は概算で49兆2千億円でした。2020年度から7兆円増え、5年連続で過去最高を更新しています。高齢化や医療の高度化が要因で、年齢別では75歳以上が20兆円3千億円で全体の4割を占めています。1人当たりの医療費は75歳未満が26万1千円だったのに対し、75歳以上は3.8倍の98万9千円です。政府は医療費の増加を踏まえ、市販薬と似たOTC類似薬の追加負担導入など患者の自己負担引き上げを進めています。

 現在の窓口負担は、原則小学校入学から69歳までが3割、70~74歳が2割です。75歳以上は1割で、一定以上の所得がある人は2割です。70歳以上でも現役並み所得があると3割となります。70歳以上の高齢者の医療費窓口負担引き上げに向けた議論が本格化しています。高齢化に伴い医療費が膨らむ中、医療保険制度の維持や現役世代の保険料軽減を図る狙いがあります。

 高齢者の負担を増やす方策として選択肢になるのが、年齢区分の見直しです。3割負担となる年齢の上限を69歳から70歳以上に引き上げたり、2割となる上限を75歳以上にしたりすることを検討します。負担割合を細分化し、1.5割や2.5割を新設する案もあります。2割や3割となる所得基準の見直しも論点の一つです。現在、単身世帯で年収383万円以上の人などは現役並み所得とみなされ3割となります。

(2026年10月20日 東京新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です