ドイツ銀行リサーチ・インスティチュートが公表した世界の主要69都市の価格調査によれば、日本の相対的な物価の割安感が明らかになっています。調査は2012年から実施しています。当時のユーロ圏は債務危機に直面し、円高がピークに達していました。2012年と比較すると日本円は約50%下落した一方で、消費者物価は20%ほどしか上がっておらず、日本が米ドル換算で極めて割安な国として目立っています。購買力平価から推計する相対的な物価水準は、米国を100とすると日本は60でした。2012年の125から大きく下落しています。
米アップルのiPhone 17 Proで比較すると、日本での2026年の販売価格は1,121ドル(約18万円)で最安でした。米国での価格以下に設定されていたのは、世界主要国で日本と韓国だけでした。iPhoneは全世界で同じ製品を販売するため、為替レートや流通コストなどを反映する信頼性の高い物価指標の一つです。
日本では給与水準も低く、トップのスイス・チューリッヒの月収8,000ドル超に対して、東京は2,000ドル程度で3分の1にも満たない状況です。世界主要国の中では39位でした。日本も2022年頃から物価上昇が続いていますが、賃上げの延びは追いつかず実質賃金は低いままです。

(2026年7月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





