製薬企業主催の講演会

 医師は、製薬会社から報酬を得て講演会などの講師をすることがあります。こうした講演会は、医師の診察が終わる夕方以降や土日などに開かれることが多くなっています。各地で開かれる医師たちの学会で、製薬会社が主催し、昼の時間に弁当が出るランチョンセミナーのほか、夜には酒が提供されるパーティーがつくこともあります。

 民間研究機関の医療ガバナンス研究所は、製薬会社から医師側に提供された資金を集計・分析しています。2023年度の講師謝金の合計は、約35万回の講演で約257億円でした。会場費や飲食費などの講演会等会合費は、約15万回分の約691億円にのぼっています。講師謝金はコロナ前の2019年度を10%上回っています。会合費は逆に16%下回っています。

 大学ごとにみると、2023年度に製薬会社が国立大学の医師に出した講演や執筆などの報酬は、東京大学が約3億2千万円と最も多く、大阪大学の約3億1千万円、京都大学の約3億円、東北大学の約2億6千万円、九州大学の約2億5千万円と続いています。

 製薬業界の不正は、特定の研究者や研究テーマと紐づけて大学に寄付される奨学寄付金で顕在化してきました。臨床研究をめぐる論文不正や奨学寄付金の見返りに薬剤の使用量を増やす収賄事件が発覚しました。製薬会社が公表した奨学寄付金は、2016年度の約224億円から2023年度には約51億円と、4分の1以下に減少しています。

(2026年6月29日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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