iPS創薬は、患者の血液などから作製し、病気の特徴を再現したiPS細胞を新しい薬の開発に使います。この細胞を別の病気用に開発された既存薬などの化合物と混ぜることで、効果のある治療薬候補を特定します。候補薬の安全性や有効性を治験で証明し、国が承認すれば新たな薬ができます。希少疾患や難病の治療薬で新しい創薬の道を開いています。
iPS創薬で治験まで進んだ候補薬は、少なくとも6種類あります。先行したのが、筋肉が骨に変わる難病である進行性骨化性線維異形成症(FOP)の候補薬です。免疫抑制剤のラパマイシンをFOPに使う治験を開始しています。iPS創薬は、再生医療と双璧をなす日本発の技術として花開こうとしています。
既存薬を転用して別の病気の治療薬を開発する手法は、ドラッグリポジショニングと呼ばれます。既存薬は製造法が広く知られており、創薬で使えば開発費を抑えられます。iPS創薬の普及は再生医療と同様に、製薬企業が研究開発費を回収して収益を上げ続けていけるかにかかっています。
(2026年8月31日 読売新聞)
(吉村 やすのり)







