ドラッグロスの増加

 米食品医薬品局(FDA)で2021~2025年に承認された薬のうち、半数にあたる127の薬が日本で未承認です。がんや難病、希少疾患の薬が多くを占めています。FDAは、2021~2025年で238品目の新薬を承認しています。バイオ医薬品が約3割、低分子医薬品は約7割です。約半数が日本での開発は未着手で、日本での新薬の発売が見送りになるドラッグロスが問題となっています。

 日本で薬の承認を得るには、原則として日本人の治験データが求められます。日本でも新薬を使えるようにするには、海外の製薬企業が日本でも早期に治験を実施できるようにする必要があります。一方、日本に拠点がない中小製薬企業は複雑な制度や言語などが障壁となり、日本で積極的に開発しにくい状況にあります。

 低い日本の薬価も障壁になっています。米国研究製薬工業協会によれば、GDPで調整後の日本の薬価の中央値は、米国より3割低くなっています。2025年の米国の医薬品支出は約9200億ドル(約144兆円)で、日本は米国の約8%にとどまっています。

 欧米ではスタートアップが創薬する事例が増えています。2021~2025年に米国で承認された薬の開発企業のうち、承認当時の年間売上高が5億ドル未満かつ設立から30年未満の企業が約4割を占めています。日本で未承認の薬のうち、約6割がこうした企業が開発した薬です。

(2026年9月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です