一般の方には耳慣れない言葉かもしれません。ワードプロセッサーで〝しゅうさんき〟と入力しても〝周産期“とは変換してくれないのではないでしょうか。
周産期とは、妊娠22週以降から生後7日(出生当日を第1日とする)までの専門的な言い方です。妊娠後期から新生児期早期のあいだと考えていただいてよいと思います。特にこの期間が重要視されるのは、胎児死亡、新生児死亡及び死亡の原因と深く関わりを持っているからです。幸いわが国の周産期死亡率は国際的にも最も低率というレベルに達しています。周産期医療においては、胎児・新生児・母体を総合的に管理することが有意義なことは論を待ちませんが、とりわけ母体についてのケアはますます重要度を増していくと思います。核家族化、出産の高齢化、仕事と出産・育児の両立への障害、などなど、ある意味では妊婦・母親に対するストレス要因は増加しているからです。出産への不安を持たず、安心して子育てが出来るという社会のイメージを、現在どれほどの人が実感しているでしょうか。
周産期の充実は、私たちの民度の証であり、国の資産であると考えますが、いかがでしょうか。
〝周産期医療の受益者は未来の社会である〟
<吉村やすのり>