ガソリン価格の国際比較

資源エネルギー庁が毎週発表しているレギュラーガソリンの店頭価格は、1ℓ175円前後で推移しています。中東情勢の緊迫化を背景にした原油高の影響で、現在のガソリン価格は2021年に比べて2割近く高くなっています。
しかしわが国のガソリン価格はG7の中で最も安価です。国際エネルギー機関によれば、3月時点のガソリン価格はフランスが1ℓあたり0.951ドルで最も高く、スペインやイタリアが続きます。日本はフランスより3割安くなっています。
日本のガソリン価格が抑えられる背景にはガソリン補助があります。新型コロナウイルス禍からの経済回復を支えるため、時限的な措置として2022年に始まりました。G7で補助があるのは英国と日本だけです。電気・都市ガス料金の負担軽減策は、5月使用分で終わります。補助終了で電気代は平均12%、都市ガス代は14%上昇します。ガソリンは補助金が無くなれば16%上昇しますが、月間消費量を踏まえれば、ガソリン補助だけ残す正当性はありません。ガソリン補助金は政府が進める脱炭素政策にも逆行します。

(2024年5月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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