シニアのSNS利用率はじわりと高まっています。NTTドコモのモバイル社会研究所の調査によれば、60代の男性はFacebook、女性はInstagramの利用率が2割を超えています。しかし、危険性もあります。消費者庁の2024年版消費者白書によれば、SNSが関係する相談件数は、2023年に8万404件で過去最多となり、50代以上が約半数を占めています。特にSNS型投資詐欺の被害は深刻です。警察庁によれば、2024年1~5月の被害者の8割弱は50代以上です。
シニア世代が活用するSNSとしてはFacebookが最も多くなっています。日常の出来事や旅行の記録などを文章や写真で投稿します。これに次ぐのは画像共有アプリのInstagramです。画像や動画を投稿でき、簡単な操作でおしゃれな作風に加工も可能です。誰かをフォローすると、その人の最新の投稿が表示され、コメントなどでやりとりができます。フォローした人の投稿を文字情報で追えるのがXです。
新たな知識や趣味などの情報が得られ、年代の異なる人々との交流の機会が増えるといった利点もあり、自分の世界を広げることができます。しかし誤情報も多く、年齢を重ね経験値があるからこその自分は大丈夫という思い込みが危険です。正しい情報かを見極める心得は、『だいふく』です。だ=誰が発信者か、一般人ならプロフィールや過去の投稿から信頼性は確かか、い=いつの情報か、ふく=複数人による情報があるかを、一次情報に当たって確かめることが大切です。
(2024年7月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)