致死率の高いニパウイルスの感染者がインドの西ベンガル州で複数確認され、アジア各国で警戒感が強まっています。2001年以降、インドなどでは、何度も感染者が報告されています。すでにタイなどでは入国時の検査など対策に乗り出しているほか、日本でも外務省が在留邦人や渡航者に注意を呼びかけています。
ニパウイルスは、動物とヒトに感染する人獣共通感染症の一つです。自然界では熱帯雨林などに生息するオオコウモリがウイルスを持っています。ブタや犬、馬、ヤギなどにも感染します。感染した動物との接触や、感染動物の尿などに汚染された果物などが体内に入ると、人も感染する恐れがあります。またウイルスに感染した患者の唾液や血液、排せつ物が体内に入ると、人から人へ感染が広がることもあります。
ウイルスに感染して4~14日後に、発熱や頭痛、筋肉痛、嘔吐が起こります。その後、意識障害などが起こり、重症化すると急性脳炎を発症することがあります。致死率は4~7割とされています。現時点でニパウイルスに対する治療薬やワクチンはありません。

(2026年2月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





