ノーベル賞の原資

 ノーベル賞は、スウェーデン出身の実業家で、ダイナマイトの発明者として知られるアルフレッド・ノーベルの遺言に基づいて1901年に創設されました。ノーベル賞の賞金は、現在1,100万クローナ(約1億8,000万円)に設定されています。生理学・医学賞や物理学賞、化学賞などの5賞はノーベル財団が賞金を用意します。

 賞の原資は、ノーベルが持っていた350の特許から築いた巨万の富です。遺産の総額は3,100万クローナで、現在の価値で約360億円にのぼります。遺産から賞金を出し続ければ、いつかは枯渇しています。ノーベル財団は、株式や債券、不動産などの形で資産を運用しています。

 2024年の年次報告書によれば、不動産を除く投資資本の時価は、2024年12月時点で約66億クローナ(約1,090億円)と元の遺産の約210倍に達しています。約120年にわたる運用で、資産の価値は物価上昇を考慮した実質で3倍に膨らんでいます。

(2025年12月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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