マンション管理費の上昇

分譲マンションの維持管理費が上昇しています。2023年の首都圏の平均管理費は、初めて月2万円超となり、修繕積立金と合わせると3万円に迫ります。共用施設の充実や人件費の増加などが要因で、物件価格の高騰とともに購入のハードルを上げています。
共用施設の維持管理費用は、玄関やエレベーターなどと合わせ、マンションの所有者から徴収する管理費でまかなわれます。最近ではスポーツジムを備えたり、フロントにコンシェルジュが常駐したりする物件も珍しくありません。管理にかかる人件費の上昇も費用を押し上げています。
一方、将来の大規模修繕に備える修繕積立金も上がっています。2023年は首都圏で、前年比9.9%高い平均月8,729円となっています。建築資材や人件費など修繕にかかるコスト増が理由で、管理費と合わせると月の負担は2万9,087円に上ります。修繕積立金はマンション購入時には低めに抑えられていますが、年数がたつと段階的に増額されるケースが多くなっています。
このところ新築マンション販売価格は上昇を続けている上、金利ある世界の到来で、住宅ローン金利が上がっていくことも想定されます。消費者には維持管理コストも含めた負担額の見極めが求められそうです。

(2024年7月15日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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