不登校の子どもが急増しており、その影響は学校や家庭にとどまらず、親の就業にも及んでいます。子どもが不登校になれば、夫婦仲も悪くなります。不登校について夫婦間で満足に相談できていると答えたのは2割程度で、離婚や別居の原因にもなります。
共働きでも、子どもの学校や病院とのやりとりはほとんど母親がしているという家庭は多くなっています。そういう家庭だと子どもが大変な状況になっても夫には任せられず、自然と母親が仕事を減らして対応するようになります。仕事を辞めると、母親に全ての子育て負担が集中します。子どもにどれだけ寄り添っても褒められることはほとんどなく、自分は子どものためにしか存在しないのかと孤立してしまいます。
不登校離職は、親にとってキャリア上の損失だけでなく、企業にとっても貴重な人材の流出という大きな損失になります。しかし、現在多くの企業が実施している育児支援は、就学前に偏っており、就学後の支援は極めて限定的です。一般的に子どもが不登校になると介護休業の対象になり得ますが、利用するには職場の理解が必要となります。一部の企業では、休業や時短勤務の制度を整えたり、独自にフリースクールを始めたりする動きもあります。
学校の先生やスクールカウンセラーに相談すると、家で休ませた方が良いと言われます。仕事を辞めることができないと告げると、子どもが不登校なのに仕事を続けるのかと責められることもあります。これまで不登校対策は、家庭、学校、支援機関で対応してきました。今後は、企業にもアプローチすることで、不登校や子育てに手を差し伸べてくれる仲間を増やすことが大切です。企業としては、不登校が子ども本人の問題だけではなく、社員の仕事と家庭の両立に深く関わる人的資本を守るための支援として捉えるべきです。

(先端教育オンラインHPより 2023.10.5)
(吉村 やすのり)





