女性は妊娠や出産により離職することが多く、30代に就業率が低下し、いわゆるM型を呈する。しかしながら家庭と仕事の両立ができれば、就業を希望する女性は多い。企業も人手不足のため、全国に約900万人いるとされる主婦への就業期待度は高い。主婦が仕事をする場合、派遣業界が多いが、これまでの派遣業界はフルタイムでの仕事が大半で、育児負担が重い女性は働きにくい状況にあった。しかしながら人手不足で短時間勤務でも、スキルを備えた主婦を求める企業は増えている。
出産などで離職した主婦を対象に、1日4時間週3日以上働ける人を募集する企業が出てきた。しかも最初の6か月間はトレーニーと位置づけ、OA機器の操作などのeラーニングを通じ、仕事になじむための訓練期間を提供している。こうした柔軟な働き方が可能になれば、派遣社員として労働市場に復帰する主婦も増えると思われる。人手不足が進む中、女性就業率のM字カーブを訂正し、働き手を確保することが課題となっている。
(2014年8月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)