厚労省は現在、全国の許可保育所や許可外保育所などで発生した乳児期の死亡やけが、病気などの重大な事故について、自治体からの報告を求めている。保育所における乳幼児の事故は、年々増えてきている。しかし、事故について調査や検証する統一的な仕組みはなく、事故後の対応が自治体によって異なるため、検証が再発防止に十分に生かされていないという問題もある。
来年度から始まる子ども・子育て支援の新制度では、保育所や幼稚園、保育所と幼稚園の機能を兼ね備えた「認定こども園」などに対して、重大な事故が発生した場合に、保護者や自治体に速やかに報告することを義務づけている。現在待機児童解消のため保育施設が急増しており、今後利用者が増加することにより、事故はますます増加するものと考えられる。再発防止のための検証や事故情報のデータベース化などがぜひとも必要となる。
(2014年8月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)