怪我や病気で働けなくなった際に受け取れる傷病手当金の支給額が増え続けています。大企業向けの健康保険組合、中小向けの協会けんぽ、公務員向けの共済組合などの支給額を合わせると、2023年度は約6,100億円にも達しています。5年前の2018年度から6割増え、10年前と比べると倍増しています。増加の一因は、人間関係の悩みや強いストレスなどで、こころの健康を損なう人の増加です。

支給件数全体のうち、メンタルヘルス不調など精神及び行動の障害が39%(男性36%、女性43%)と最も多く、年々増える傾向にあります。次いで、がんなどの新生物が多くなっています。精神及び行動の障害での平均支給日数は215日で、新生物の201日や、全体平均の172日より長くなっています。職場復帰まで長期間かかり、金額も多くなります。

支給件数を年代別にみると、若い世代ほどメンタルヘルス不調などの占める比率が多くなっています。年代が高くなるにつれて、がんなど別の病気も増えています。退職などで健康保険の資格を失った人のうち、メンタル系疾患の人は約14%です。年代別にみると、男女ともに40~50代が他の年代より高く、発症を機に退職しているケースが中高年に多くなっています。

(2026年3月22日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)





