公営住宅の空き家改善ランキング

 国土交通省の調査によれば、2023年度は公営住宅の空き家が全国で5万戸を突破し、空き家率は2.4%で過去最悪となっています。他に修繕が進まず入居募集に至らない集計外の空き家もあります。地方では空き家の増加で共益費の出し手が減り、自治会活動が厳しくなっています。昭和時代に大量供給された公営住宅で、相次ぎ発生する空き家を有効活用して蘇らせる取り組みが全国に広がっています。学生や技能実習生の寮など本来の目的と異なる弾力的な運用で、15府県が空き家率を下げています。最も改善幅の大きい宮崎県では、高齢化や退去で低調となった自治会の清掃活動などに一部で活気が戻っています。

 公営住宅は、本来住宅の確保が難しい低所得者に安い家賃で供給するのが目的ですが、空き家増加を踏まえ、国が認定すれば自治体の裁量で空き家を弾力的に活用できるようにしています。公営住宅が周辺地域から孤立してしまうと、そもそも住む場所として選ばれにくくなります。団地内に店舗や保育園など、外に開かれた施設を設けることも必要になります。

(2025年11月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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