2016年の電力自由化の目的の一つは、再生可能エネルギーなど分散型電源の拡大でした。震災時は津波で大きな発電所がいくつも止まって停電が起きました。大規模電源だけに頼る脆弱さを克服する狙いでした。再生エネの比率は2024年度の23%と、自由化前の2015年度の14.3%から上昇しています。再生エネ100%のサービスも広がり、固定価格買い取り制度で電源投資も増えました。
しかし、足元では再生エネを生かしきれていません。出力制御した太陽光・風力は2024年度16億kw時と、2020年度の4倍になっています。再生エネの適地の北海道では、将来太陽光や風力の3割が制御される可能性があります。再生エネは電力需要が多い都市から離れた場所が適地となりやすいため、需要地まで運ぶ送電線が必要となりますが、再生エネの増加ペースが速く、送電網の整備が追いついていません。
西日本では再生エネの供給拡大で出力制御が目ってきています。エネルギー基本計画は再生エネ比率を2024年度の23%から2040年度に40~50%まで高める目標を掲げています。足踏みする再生エネのもう一段の拡大には、ボトルネックとなっている送電網不足の問題を解決しなければなりません。

(2026年4月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





