内閣府の試算によれば、出産後も女性が仕事を続けると、離職した場合と比べ、世帯の手取り収入が生涯で最大1.7億円増えるとしています。試算では、夫婦はともに今年22歳で、夫はフルタイムの正社員として65歳まで働き、夫88歳、妻は93歳まで生きると想定しています。妻は29歳で第1子、32歳で第2子を出産するとしました。妻が出産後も働き続けた場合から、退職した場合まで、6パターンの世帯収入を算出しています。
妻が出産後も正社員として働き続けた場合の世帯の手取り額は、4億9,200万円(うち年金は9,900万円)でした。一方、妻が出産で離職し、その後も就業しない場合だと、3億2,500万円(うち年金7,600万円)で、1億6,700万円の差がみられます。
妻が年収の壁の範囲内で働いた場合に、夫が勤め先から受ける配偶者手当(年11万9千円と想定)がなくなる分を考慮しても、世帯の手取りは約1,200万円増えることになります。
(2024年6月6日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)