健康保険に加入している女性が妊娠し、妊娠4か月以上の出産であれば、1人の子どもにつき42万円の出産育児一時金が支払われます。女性が健康保険に加入していなければ、出産育児一時金はもらえません。例えば、赤ちゃんを出産することができず、4か月以上で流産した場合にも支払われます。そのため妊婦さんの分娩費用が42万円以下であれば、一切の金銭的な負担はありません。
この出産育児一時金は、医療機関が健保組合と直接支払制度の契約を結んでいる場合、健保組合から医療機関に出産育児一時金が直接支払われます。医療機関が妊娠した女性に代わって健保組合に出産育児一時金の申請を行っておりますので、妊娠する女性自身が手続きをする必要はありません。 以前より、分娩時に分娩費用を支払わないで退院してしまう未払い妊婦が多かったために直接支払制度が設けられました。これにより、未払い妊婦が減少したことは病院にとってメリットになっています。
分娩費用が42万円より高い場合、その差額を払うことになります。以前であれば、退院時に分娩費用を全額支払い、退院後に出産育児一時金として受け取っていましたので、分娩費用を一時的にでも準備しなければなりませんでした。その準備をしなくてもよくなった点は、若いカップルにとって福音です。仮に分娩費用が42万円以下であった場合には、手続きをすればその差額は支給されます。会社を退職し、その後出産した場合でも、退職日から6ヵ月以内の出産であれば、在職中の健康保険で出産育児一時金を申請することができます。
(吉村 やすのり)