国は、返済不要の給付型奨学金と入学金・授業料の減免を実施しています。従来、住民税非課税か、それに準じる世帯が対象でしたが、本年度から3人以上の子を扶養する多子世帯と私立の理工農系の学生については、世帯年収の上限を約380万円から約600万円の中間層に引き上げています。
中間層の多子世帯は、住民税非課税世帯の4分の1まで奨学金と減免を受けられます。多子世帯ではない私立理工農系の場合、奨学金は給付されませんが、学費が比較的安い文系との差を是正するため、学校種別によって住民税非課税世帯の3分の1か4分の1までの減免を受けられます。
教育ローンや貸与型の奨学金も利用できます。日本政策金融公庫の教育ローンは、当面の1年間で必要となる費用が対象で、まとまった額を一括で借りられるのが利点です。入学後から月々振り込まれる奨学金とは異なり、受験や入学に必要なお金も賄えます。日本学生支援機構の有利子の貸与型奨学金には、利率が一定の固定方式と、利率を5年ごとに見直す見直し方式があります。
(2024年6月20日 東京新聞)
(吉村 やすのり)