文部科学省は2016年度から、全国に86ある国立大学を「世界最高水準の教育研究」「特定の分野で世界的な教育研究」「地域活性化の中核」の3グループに分類するとのことである。グループ内で高い評価を得た大学に、運営費交付金を手厚く分配することにしている。従来は規模に応じて機械的に割り当てられていたが、大学の特色を明確にし、同じグループ内での競争を促す狙いがあると思われる。
各大学は、2015年中に3グループの中から1つを選ぶ必要がある。選択に当たって同省は審査などを行わず、自主性に任せることにしているが、所属グループの選択は、各大学の将来像に大きく影響するものと思われる。3分類する主な理由は、国立大の収入の柱である1兆円を超す運営費交付金の配分方法の見直しをすることにある。しかし、同じ条件下での競争原理が導入された場合、地方の小規模な大学は、都市部の総合大学ちと比べて不利になる恐れがある。このため、同省は3グループごとに、それぞれ異なる評価手法を新たに導入することを決めている。
(2014年12月8日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)