増加する児童虐待

厚生労働省によれば、2013年度に全国の児童相談所で対応した児童虐待の件数は7万件を超えたとのことである。10年前の約3倍に増加している。地域の繋がりが希薄になり、親が子育ての悩みを誰にも相談できない疎立感を深め、虐待することが主因であると考えられている。さらには一般の人が虐待かもしれないと思った時に、児童相談所に相談した方が良いという社会の意識の変化によることもあるかもしれない。

虐待には4つのタイプがある。暴力をふるう「身体的虐待」、性的な行為を無理にさせようとする「性的虐待」、言葉などで子どもの心を傷つける「心理的虐待」、食事を与えなかったり、子育てを放棄する「ネグレクト」がある。こうした虐待にいかに早く気付くか。虐待を受けた子どもをいかにしてケアして支援していくか。親を孤立させない仕組みをいかにして構築するか。問題解決の道のりはまだまだ遠い。

(2014年8月30日 朝日新聞夕刊)
(吉村 やすのり)

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