女性の社会進出は、男女雇用機会均等法の実施(1986年)以降、男性と同様にキャリアを積む女性が増えている。男性とともに女性の大学進学率は現在1割程度低いが、短大を合わせると女性が男性をわずかに上回る。女性の高学歴化、未婚化、晩婚化、少子化の進行は密接に関係がある。実際に女性の大学進学率と平均初婚年齢とは正の相関があり、進学率が高くなるにつれて、初婚年齢が遅れることになる。
しかし、日本女性の大学進学率は欧米先進諸国に比べて低水準である。先進国の出生率と進学率を見てみると、必ずしも進学率の高い国で出生率が低いわけではない。合計特殊出生率が2.0前後を示すフランス、イギリス、スウェーデンでは、女性の大学進学率は6割を超えている。諸外国のように大学教育を受けた女性が、仕事と育児ができるような環境の整備を考えるべきである。
(吉村 やすのり)