大都市と地方では高校生の大学進学率の差が広がっている。全国の大学進学率の平均は53.9%であり、進学率は20年前に比べて21.1%も伸びている。東京の72.5%が全国最高で、最低は鹿児島の32.1%で2倍以上の差がみられている。地域格差の増大は、大都市圏での進学の急上昇が一因であると考えられる。伸び悩む地域においては、県民所得が低い地域が多い。
大都市圏では大学の集中が進んでいる。その背景には大都市圏での大学増設を制限してきた国の方針転換がある。少子化が進む中、若年人口の多い都市部に大学が集まるのは当然の成行きである。小中学生の全国学力調査で上位の常連である秋田県においても、高校生の大学進学率は42%で、全国平均よりも10%以上低い。単純に学力調査の成績が進学率には結びつかず、進学率には経済的要因が大きく左右する。自宅から通学しようとしても地方には大学が少ないことも一因である。大学が少ない地域では新増設も選択肢であるが、財政難と少子化の現状で増やすのは簡単ではない。また競争激化の中で、特色の無い大学の多くが定員割れという事態も生まれている。
(2014年10月15日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)