国公私立は2024年に813校と20年前から15%増え、私立大学の経営状況は悪化しつつあります。2024年度は、四年制私立大学の59%が定員割れしています。
大学進学者数は、推計で2035年以降に急減し、2050年に現在の7割となります。中央教育審議会は、大学の規模縮小や再編・統合の促進を答申しています。文部科学省は、今夏までに今後10年ほどの改革案の工程表をまとめるとしています。少子化対策として大学の無償化も拡大されていますが、質の低い大学の延命策にならないことが大切です。
少子化対策として2025年度から、3人以上の子どもを扶養する多子世帯への学費を巡る支援が広がります。国公立大の多くは授業料と入学金の家計負担がゼロとなり、私立大学も負担減となります。学費の無償化により意欲や能力のある人材が大学で学べる意義は大きいのですが、公的支出の拡大が質の低い大学の救済につながる懸念もあります。答申は大学の現在の量的規模をなんとか維持できるという幻想を捨て、質と量の双方の観点から将来像を検討すべきだとしています。

(2025年2月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)