厚生労働省は、紹介状を持たずに大病院を受診した場合、初診料の2,820円、再診料720円を本人負担とする案をまとめ、2016年度より実施することを検討している。400床以上の大病院において、紹介状を持たない患者が8割を占めており、本来の役割である重症患者の治療に専念できない弊害が起きている。これまでは健康保険が適用され、患者の負担は1~3割で済んでいたが、その患者負担が増すことになる。
現在も200床異常の病院では、紹介状を持たずに受診する患者に特別料金を徴収できる仕組みがあるが、全ての病院で導入されていない。大病院を受診することができなくなると、中小病院や診療所の役割が大切になる。総合診療専門医制度も開始されることになっており、プライマリケアの充実には良い制度であるかもしれない。
(2014年5月9日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)