女性リーダーの育成

日本の大学における女性リーダーは少なく、高い職位ほど女性の割合は低くなっています。学校基本調査によれば、2022年度の女性教授の割合は18.8%でした。2010年度に比べると6.3ポイント向上していますが、不十分です。米大学女性協会によれば、米国では教授の36%、大学学長の30%を女性が占めています。
日本の科学技術・イノベーション基本計画では、教授・副学長・学長の女性割合を早期に20%、2025年度までに23%に高める目標を掲げています。しかし、女性リーダーを増やすのは一朝一夕にはいきません。特に理工系ではどこも女性上位職が足りておらず、奪い合いが起きています。育てても優秀な人材が引き抜かれてしまいます。
教授など女性の上位職を育てるため研究業績の向上支援にも力を入れる大学も増えています。女性を対象に海外での研究に資金助成を始める大学もあります。これまでは選ばれるのは男性ばかりだと諦めてきた女性も多く、制度をつくることでチャンスを掴む鍛錬ができます。無意識の偏見、人材不足など幾多の壁を乗り越えて、大学や研究室を女性が率いることが当たり前になる日を期待しています。

(2024年7月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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